『 トゥルーマン・ショウ 』

The Truman Show  (1998) USA 1h. 42min.



平和な街で保険会社のセールスマンとして働くトゥルーマン・バーバンク(ジム・キャリー)は看護婦の妻、おだやかな隣人、心から語り合える友人らに囲まれた幸福な日々を送っていた。

しかし、実は、彼の周りはすべて「偽物」なのだった。 彼の生まれ、育ち、住む街は巨大セット、妻、両親、街の住人全ては俳優で、街中に仕掛けられた5000個のカメラで常にトゥルゥーマンの様子は撮影され『トルゥーマン・ショウ』として全世界に放映されていたのだ。 トゥルーマンは自分が母親の胎内に居る時から撮影され続けて全世界に放映されているTVショウの主役だということを知らない唯一の人間なのだ。 全世界220ヶ国で17億人の視聴者がトゥルーマンの人生ドラマを熱中して観ているのだった。
ゴミひとつ落ちていない街、家庭、仕事、恋、すべては、番組プロデューサー(エド・ハリス)により作り上げられた「理想の社会」なのだ。しかし、トルゥーマンは違和感を感じ始め、自分の人生を取り戻す為に行動を起こす・・・

自分の周囲は実は全て偽である、実は、別の力にコントロールされているという感覚は誰もが持ったことがあるのではないだろうか(わたしは何回もある)。 映画やTVシリーズの題材にも取り上げられているテーマだが、この映画のように徹底したアプローチ、そして感動的なエンディングは始めてだ。
『ガタカ』のライター、監督のペンになる本作品は、不条理の世界をさらりと描いた、期待どおりのインテリジェンスを感じさせる素晴らしい出来でした。(03/28/99)

dir: Peter Weir  writing: Andrew Nicol




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