1950年代のコニーアイランド遊園地の喧騒の中で、4人の人生が絡み合い、観覧車のように同じところを回り続けてどこにも行けないという話。
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元女優のジニー(Kate Winslet)は、数年前に現在の夫ハンプティー(ジム・ベルーシ)と結婚し、自身の前の結婚の時の息子と3人でコニーアイランド(ニュヨーク市から地下鉄で40分ほどのビーチ)の大観覧車 Wonder Wheelの見える部屋に暮らしていた。ジニーはコニーアイランドにあるレストランでウエイトレスをしており、夫はメリーゴーラウンドの整備員。息子は空き地などで火をつけて遊ぶという問題や、ビーチの監視員として夏の間だけコニーアイランドで働く劇作家志望のミッキーと不倫関係になったジニーはのめり込んでいくようになったとはいえ、家族3人はそれなりに生活していた。しかし、ある日、3人の暮らす家に夫の前の結婚の時の娘キャロラインがやってきたところから歯車の廻りに異変が生じ始めた。キャロラインは5年前に親の反対を押し切りマフィアの一員と結婚するために家を出ていって以来音信不通となっていたのだが、相手と意見の不一致から離別を決心して逃げ出してきたのだった。マフィアの夫に見つかったら殺されるのでここにおいてほしいとキャロライン。最初は激怒したハンプティだったがそこは親子、じきに娘との生活に幸せを感じ始めるようになった。キャロラインはジニーと同じ店でウエイトレスをしながら、夜はハンプティの援助で学校に行くようになる。
ところがビーチでミッキーと出会ったキャロラインはお互いに好感を持ち、いつしかそれは好感以上のものになっていった。
ミッキーとの関係に溺れていたジニーはハンプティの娘とミッキーの間柄に激しく嫉妬するようになり・・・
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ジニーは前の夫とも今の夫とも最初はうまくいっていたのにいつの間にか不満がつのるようになり、別の幸せを求めるようになる。観覧車はまさに主人公の悪循環を表しているのだろう。
どんどん険悪になって行く夫婦の間での怒鳴り合いシーンが多く、見ている間はあまり楽しい気分にはなれない映画だったが、見終わった後は、さすがアレン作品と思わせる余韻があった。
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Woody Allen 49作目の監督作品。